DANCE, TIGER, DANCE !
震災から3年。 変わらない町の風景。 でも俺たちはこの町で生きて行く。
ここが好き。 仲間がいる。 虎舞がある!
写真家平田真弓による、とらまい写真、ビデオ、
インスタレーション。 そして、東北を回り続ける
タトゥーアーティスト初代彫蓮の掛け軸アートが
ロンドンでコラボ。 虎がみんなを元気にする!
人々の感心はだんだんと薄れてゆく。
だが、被災した人たちの生活も風景も変わっていない。
流された町の風景はがれきがなくなっただけで、変わらない。
でも、私たちは、変わった。震災をきっかけに、生きることの意味を学んだ。
人口の約一割が死亡、行方不明となった、岩手県上閉伊郡大槌町。
空き地が続く殺風景な風景のなか、
元気のいい歌声と太鼓の音が響き渡り、虎の頭を身体を二人の男が大胆動かす。虎舞だ。
虎舞の男たちも、津波で全てを失い、一度は希望も一緒に失った。
だが、泣いてばかりもいられない。 誰かが虎を生き返らせた。
ダイナミックに飛び跳ね、お茶目に寝転がる虎が、町中に活力を与える。
町は破壊されても、男たちは、あえて町に残る。戻る者も多い。
そして虎たちは今まで以上にパワフルに、練り歩く。
見よ。岩手の虎を。 どんなに辛くとも、立ち上がって躍る。
動くしかない。 止まるな。 振り向くな。 踊り、歌い続けろ。
後ろを振り向かず、未来に向かって、高く、高く跳ぶしかない。
今を躍る。 そうすれば、少しずつ明るい未来が近づくのだ。
約830年前から伝わる大槌の伝統芸能、虎舞。
虎は一日に千里行って、千里帰るということわざから、船乗りの安全を祈る。
また、火伏せの霊力があるともいわれて、火災鎮護の信仰から虎舞が舞われる。
震災から3年、ロンドンとらまい展では東北以外にあまり知られていない虎舞の素晴らしさと、東北人の強さを、写真、ビデオ、実際の虎の頭などの展示で紹介します。
また、刺青アーティスト初代彫蓮による、生き生きとした虎の掛け軸もコラボレーションで展示します。